山王下「幸楽」 1936年、この年は雪の多い年であったという。2月も下旬というのに23日から降り出した雪は30㎝以上も積もったそうです。一般の兵は入隊したばかりの者もいて、この武装蜂起を演習だと思うものも少なくなかったといいます。この料亭「幸楽」に陣取ったのは多くの兵隊を収容できること、飲食物の調達が容易だったからだといい、26日の朝、将校より大量の弁当やお酒の注文があったそうですが、この時はまだこのようなことになってるとわからず、午後のラジオで幸楽の人も事態を知ったそうです。また28日の午後には飲めや歌えの大宴会となったそうで、その後部隊は隣の山王ホテルに移動しています。
こうしてこの料亭「幸楽」「山王ホテル」は、叛乱軍と鎮圧軍が接する最前線となります。
多くの群衆がまるでアイドルを見るかのように取り囲んでいるのが印象的です。