小学校の帰り道、ある日突然、あの「かた屋」さんが我々を待ち構えています。「かた屋」さんとは、小学校の近くの空き地などで、小学生に素焼きでできた型と粘土を売って、子ども達を遊ばせるというものでした。色々な型があり、当時、テレビ・漫画で人気の月光仮面や七色仮面、鉄腕アトムなどの型や怪獣・恐竜ものなどがあったように思います。そして、こども達は、型からとった粘土に金粉や銀粉などの色をつけ、「かた屋」のおじさんに、仕上がりを見せます。おじさんが見て、できが良いと評価した粘土を作ったこどもに、点数の書いた紙切れをあげ、何点か集めると新しい型や、粘土、金粉、銀粉などの商品がもらえるという仕組みであったように思います。何しろ学校の帰り道であったので、中にはランドセルを背負ったままやっている子どももいました。そのおじさんも何日か、そこで店を広げているのですが、子ども達が点数の紙がたくさん集まり始めた頃、突然その場所から姿を消し、みんなが忘れかけた頃、またそこにやって来て店を広げるのでした。