箱膳

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江戸時代から昭和初期にかけ、箱膳というものありました。これは、一人一人の食器を入れ、ふたを返すとお盆になるという物で、食事が終わるとお椀などのお皿にお湯を入れ、きれいにゆすいで、そのお湯は飲んでしまいました。そして食器はそのまま箱に戻して、ふたをしてまた次の食事に使い、けっして洗いませんでした。洗うのは、大晦日だけで、その時には、塩を付けてきれいに洗ったといいます。その箱膳の名残は、今でも地方や禅寺の持鉢(じはつ)などに見ることができます。その箱膳も卓袱台が発明され次第に姿を消すことになります。それでも戦前は、使用人の多い商家などで良く見かけたといいます。箱膳に入れる食器は、飯椀、汁椀、小鉢、焼もの皿、小皿の五つで、これを御器(五器)といい、この御器をかじるものが御器かぶり、これがなまってゴキブリとなったということです。

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