映画の思い出

昭和30年代の映画館前です。まさに老若男女の人達が、上映中の映画のスチール写真に見入っています。この頃は戦後から立ち直り、娯楽を楽しむ余裕ができた頃でしょう。ただ、テレビが各家庭に浸透するまでには、これからやや時間を要します。その狭間で映画の全盛期を迎えていたのでしょう。家族で映画を見に行くというのは、今のディズニーランドに行くような一大イベントであったように思います。当時はラジオが家庭内の娯楽で、ビジュアル的な楽しみは、せいぜい本や紙芝居ぐらいでしたので、映画のあの大画面の迫力、非現実的な設定の面白さ、総天然色の美しさに魅了されたものです。また、この頃はチャンバラの時代劇が多く、捕り物の映画などではお客さんも拍手をして悪党一味を退治するのを応援したものです。
ただ、当時の映画館はまだ下水道が完備されてなく、どことなくトイレの悪臭がしていたり、平気で上映中に喫煙していたり、寝る目的の人だったり、今では考えられない環境でした。しかし、それでも映画を見ることの楽しみは余りあるものでした。
私も良く観に行ったこの東映映画館も昭和42年(1967)に焼失し、今は商業施設となっています。

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