「♪剣をとっては日本一の・・・♪」漫画で人気となった少年剣士「赤胴鈴之助」のラジオ版(1957-1959)での主題歌です。もう知る人も少なくなったでしょう。「エイ、ヤー」と道場での掛け声で始まるこのラジオ番組を耳をダンボにして聞いていたのを思い出します。ラジオで聞いたのに、不思議と映像で記憶しているのは、自分でつくったイメージなのでしょう。また、この番組には、まだ少女でした吉永小百合さんが声優として出演していました。あのような大女優になるとは、その頃誰も想像していなかったでしょう。
また、この頃の映画もほとんどが時代劇でした。中村錦之助など、今のキムタク並みの人気だったのではないでしょうか。
そして、子供達は、映画のシーンなどを思い出しながら〈チャンバラごっこ〉に興じたものでした。額にハチマキを巻いてみたり、駄菓子屋で買ったボール紙でできた赤胴鈴之助の防具などを付けて、さながら少年剣士になったつもりで遊んでいました。
また、刀(かたな)と言えば、桑の枝で作りました。当時は養蚕(ようさん)農家が多く、蚕(かいこ)の餌として桑の葉を与えていたので、どの畑にも桑の木がありました。そして、秋ともなると葉が刈り入れて無くなり、枝だけになるのですが、その枝の刀に相応しいところを切って使っていました。本当は、勝手に切ってはいけないのでしょうが、不要となった枝は、農家の人も多目に見てくれていたのでしょう。