逆さほうきのまじない

掃除といえば、今では掃除機は欠かせませんが、掃除機が普及するまでは、箒<ほうき>と<はたき>が、掃除道具の主役でした。その<ほうき>は、何年にか一度、たくさんの<ほうき>を肩に担いで、ほうき屋さんが売りに来たものです。赤や緑や黄色の糸で束ねたそれは、なかなかきれいなものでした。
その<ほうき>も、時に違った場面で活躍しました。「逆さほうきのまじない」です。腰の重い客に早く帰ってもらいたい時などに、客の見えない場所で<ほうき>を逆さに立て、上に手ぬぐいをかけるというものでした。何でもその格好が、神主さんの「御幣」に似ているとか、<ほうき>で客を掃きだす、とかいう言われがあるそうです。昔は家が狭く、お客さんが居ると、家族が満足に食事すら取れなかったために、この様なまじないがあったのでしょう。

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