私の家の近くにマニアの皆さんでも有名な廃線があります。もう40年近くその本来の役目を果たしていない線路は、落ち葉で枕木は埋まり、木の架柱は朽ちりながら、かろうじて立っているようです。この林にじっと佇んでいますと、遠くから力強い汽車の汽笛と石炭の燃える匂いが近づいてくるような気がします。
しかしこの廃線も、いずれは撤去され、林もなくなり、そしてどこにでもあるようなありふれた風景となってしまうことでしょう。私は、このかけがえのない今の風景を何とか残そうと絵にしています。ただ見たままの風景ではなく、当時ここを走っていた汽車・電車、人々を現在にタイムトリップさせ、絵画ならではの遊びを楽しんでいます。私はそうすることが、そうした乗り物やそこで従事した人々の「記憶」や「思い」を蘇らすことができると考えています。

思い出館は、肖像画を描くことによりお客様やご家族、大切な人達の <思い>をキャンバスの中に閉じ込め、いつまでもお伝えできればと考えています。

私が描かせていただきます。