缶けり

缶けりの様子のイラスト

昔の路地裏には、よく空き地が点在してました。恐らく袋小路になっていて、家が建てられない土地があったからだと思います。当時は、自家用車など考えられなかった時代で、道も細く、どこまでが道でどこからが私有地なのか判然としないところがあちこちにありました。
ですから、そんな空き地は、子供にとって格好の遊び場でした。かくれんぼ、馬飛び、相撲、Sケン。そんな中でやはり人気のあった遊びは「缶けり」ではなかったでしょうか。空き缶を用意し、缶の周りに円を描きます。鬼(A)を決め、他の人は隠れます。鬼が逃げた子(B)を探し出すと「~ちゃんみつけ」と言いながら、急いで缶に足でタッチしに行きます。見つけられた子が先に缶をけってしまうと、逃げて良い決まりだからです。捕まると円の中で待機しなければなりません(C)。いわば捕虜です。ただ、鬼のスキをみて他の子(D)が缶をけってしまうと捕虜も解放され、すべてリセットされてしまいます。この遊びは、かなりの俊敏性が要求され、年少者などは、いつまでも鬼のままなので途中で泣き出し、家に替えてしまう子などもいました。でもそんな時に、わざと鬼になり替わってやる子がいたものです。そんな子は誰からも慕われていました。

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