一服

今ではあまり見かけない光景ですが、私の少年時代(昭和30年代)、時折遊びにいく畑や田んぼで、お昼時になるとその農家の人達が畑の傍らで、家族で食事をとっている光景を何度か目にしたことがあります。青空の下での食事は、何よりもおいしそうだったと言うことはもちろん、その光景はまるで家族でハイキングに来ているように、楽しげに私の目に映ったものです。そしてどこかに農業にあこがれを持ったものです。しかし今考えると、そのお昼時こそ農家の人達にとっても唯一の息抜きどきであり、おそらく一日のうちで一番気の休まる時だったのではないでしょうか。農業は朝から寝るまで、作物に対して気を許すことのない過酷な職業であることは、今も昔も同じでしょう。

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