だるまストーブ

冬の寒さが近づいた頃、登校するといつのまにか教室の真ん中に置かれた、重々しい鉄の塊とそこから伸びる煙突が目にとびこんできました。今ではほとんど見かけなくなった〈だるまストーブ〉のお目見えです。鋳物ででき、形が達磨さんのようなため〈だるまストーブ〉とよばれていました。石炭を燃やし、その熱で部屋を暖めました。火力が強かったのですが広い教室のため、休み時間となるとストーブから遠い人がストーブの周りに集まってきました。お弁当を温めたり、雪合戦などでぬれた靴下などを乾かしたものです。朝一番で日直の生徒が、種火を用務員さんからもらってきて石炭に火をつけたのですが、その時に煙と何とも言えない匂いが発生しました。人、好き好きでしょうが、私はこの匂いが大好きでした。当時は、各家庭のお風呂の燃料も石炭であったため、夕方になるとこの匂いが漂ってきたものです。ほとんど子ども達が、この〈だるまストーブ〉の管理を任されていたのですが、大きな火災ややけどなどの事故が無かったのは、今ではむしろ不思議な感じさえします。〈だるまストーブ〉も、石炭は、使用する上で不便が多いことや一酸化炭素を出すなどの理由により石油、ガス、電気などの暖房燃料に変わり、次第に姿を消していきました。


 
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